税理士事務所・会計事務所のweb集客がなかなかうまくいかない……。そんなお悩みをかかえる税理士であれば、一度は「ランディングページ(LP)」の作成を考えたことがあるかもしれません。
しかし、本当にランディングページを作っただけで成果が出るのか? どうやって作れば効果が上がるのか? と、分からないことも多いと思います。そこで今回は、そんな税理士に向けて、ランディングページから見込み客を獲得するために抑えておくべき5つのポイントをご紹介します。
ランディングページとは何か?
一般に「ランディングページ」というと、主に2つの意味が含まれます。
広義では、サイトを見に来た人が「最初に訪れるページ」のことです。また、狭義として、1つの商品・サービスの「説明〜購入・問い合わせまでを1枚にまとめた完結型のwebページ」ということがあります。税理士の集客に使うランディングページは、後者の「1枚完結型のwebページ」のことです。
ターゲットを絞ってアプローチができるので、いろんなページが介在する通常のサイトよりも成約に繋がる確率が上がるというメリットがあります。(一般的なホームページは事務所紹介のパンフレット、ランディングページはサービスを販売する際のチラシと考えると分かりやすいかもしれません。)
◼︎どんな集客をしたい税理士に必要か
では、税理士が集客したいと思ったとき、ランディングページにはどんな効果があるのでしょうか? ランディングページがその効果を発揮できるのは、主に下記のようなサービスにおいてです。
- 専門性や得意な業界、業種に絞ったサービスを提供する
(例:飲食業に強い、国際税務の専門化)
- 専門性や得意な業界、業種に絞ったサービスを提供する
- 特定のサービス、セミナーに誘導する
(例:確定申告の相談会、相続対策のセミナー)
- 特定のサービス、セミナーに誘導する
- 無料プレゼントの配布、資料請求をしてもらう
(例:相続準備ガイドブック、事業継承にかんする小冊子)
- 無料プレゼントの配布、資料請求をしてもらう
せっかくランディングページを作っても、「税務のことなら何でもできます」と謳うだけでは、ターゲットを絞れず、成約につながりません。
あなたの税理士事務所が取り扱うサービス全体については、ホームページで伝えることができます。一方、1枚もののランディングページでは、数あるサービスのなかでも特に力を入れている分野の集客や、セミナーや無料プレゼントに関心を示す見込み客の獲得がメインの目的となります。
そうしたことを踏まえた上で、広告を使って検索したとき上位に表示させ、目的(そのページを読むことでとって欲しい行動)を達成することがランディングページの役割です。
ランディングページで目標を達成することをコンバージョン(CV)といい、目的達成数/来訪者数のパーセンテージのことをコンバージョン率(CV率)といいます。このCV率は、販売しているサービスや目標定義、ランディングページのコピー・デザイン等によって大きく変わってきますが、見込み客の獲得(メールアドレスの取得等)の場合、15~20%、問い合わせや販売の場合、1%程度あるとよいといわれています。
こうした数字が見えることで、広告費をいくらかけたら見込み客や顧客が獲得できるのかが明確になり、新規客の獲得や売上の目標が立てやすくなります。
弊社で制作した会計事務所のランディングページでは、広告費を2万円使うと50人が訪れ(ランディングし)、平均粗利25万円のサービスが一つ売れるランディングページがありますが、こうした数字がわかってくると目標を達成するために必要な広告費を大まかに計算することができるようになります。
税理士事務所のランディングページ事例 3選
次に、税理士事務所のランディングページ(LP)の事例をご紹介します。各ページに仕掛けられている、見込み客の心をつかむ工夫を見ていきましょう。
■事例1:相続専門のチェスターグループ
税理士、司法書士、行政書士が在籍する税理士法人「チェスターグループ」のランディングページです。相続の手続きを必要とする見込み客へ向けて、「弊社ならワンストップで手続きができる」という訴求をしています。
キャッチコピー(謳い文句)、ボディコピー(本文)、クロージングコピー(締めの文句)をきっちりと型通りに書いているランディングページです。ボディコピーの中身についても、「問題提起⇒解決策(自社サービス)⇒解決できる理由⇒お客様の声」というきれいな流れになっています。
総じて基本に忠実なきれいな形に収まっていますが、キャッチコピーについてはもう少し目立たせることができるかもしれません。
■事例2:税理士ドットコム
弁護士ドットコム株式会社が運営する「税理士ドットコム」のランディングページ(ポータルサイト)です。東京で税理士を探している人に向けた、税理士の無料紹介サービスをオファーとしています。
「キャッチコピー→オファ→USP(自社の強み)→問題提起→ニーズに合った問題提示→選ばれる理由→問題解決後のベネフイット→お客様の声→サービスの流れ→よくある質問→お問い合わせ」と、シンプルな構成内容になっています。
「ご相談実績」のお客様の声のところで、お客様の顔が映っていない画像が多々あるので、税理士の紹介訴求をするとさらによいでしょう。
■事例3:税理士法人 山田&パートナーズ
相続税申告サービスを提供する「税理士法人 山田&パートナーズ」のランディングページです。相続が身近なアッパー層に向けて、相続税申告に関する事務所への問い合わせを促しています。
年間1300件超の実績をメインコンセプトとし、アッパーミドル以上の資産を持っている人にターゲットを絞り込んでいる印象を受けます。
リスティング広告を出しているので、ターゲットの悩みを訴求し、解決策を提示しつつ問い合わせフォームに誘導すれば、反応はもっと高くなると思います。
事例:「税理士法人 山田&パートナーズ」のランディングページ
ランディングページ(LP)の作り方・5つのポイント
次に、効果的なランディングページ(LP)を作る方法について、基本的なポイントを解説します。
制作会社に依頼するにしても、ご自身で作るにしても、成果の出るランディングページを作成するためには欠かせない5つの構成要素をご紹介します。
1.ターゲットと目的・訴求軸
ランディングページを作るときにまず考えるのは、ターゲットと訴求軸(何をアピールするのか)です。何枚ものページを持つ通常のwebサイトとは違い、1つの目標を達成させるのがランディングページの目的です。
どんな人ならこのサービスを欲しいと思うのか? どんな人に必要とされるのか? と、利用者(ターゲット)のペルソナ(年齢・性別・職業・趣味など)をできるだけ詳細に想定します。さらに、そのモデルを元に、商品をどのように見せれば一番ささるのか? を明確にすることが大切です。
ランディングページはチラシとは違い、ユーザーが自分で能動的に検索して辿り着くので、訴求軸がぴったりなら成約に繋がりやすくなります。反対に、サイトに訪れた人が「自分のことじゃない」と感じるとまったく成約しません。
2.キャッチコピー
ランディングページに欠かせない要素のひとつ、「キャッチコピー」は、いわばページのタイトルです。キャッチコピーはさらに「メインコピー」と「サブコピー」に分かれます。
メインコピーでは、そのページや商品を簡潔に説明します。サービスを訴求したいターゲットが「これは自分に向けたものだ」と思ってもらえるタイトルを付けます。サブコピーでは、メインコピーで説明し切れなかった情報を補います。
事例(キャッチコピー):河村会計事務所
例えばこちらの「河村会計事務所」のランディングページでは、
- メインコピー…「経理は簡単に でも 経営はしっかりと」
- サブコピー…「クラウド会計を駆使して、あなたの成功をサポートします」
というようにキャッチーコピーが書かれています。
メインコピーでは、「経営者や事業主(ターゲット)の経理を簡素化するサービスを提供する(訴求軸)」と説明しています。さらにサブコピーを読むと、そのサービスが「クラウド会計」であることが分かります。
ランディングページは雑誌ではなく、売るためのページなので、オシャレでカッコイイだけでは必ずしも読者にささりません。ターゲット層が求めるものをずばり言い当てるキャッチーなコピーを書きましょう。
3.ボディコピー(本文)
ボディコピーは、ランディングページで提供する商品・サービスの説明をする文章です。
ボディコピーは主に、
- 商品やサービスがどんなものか解説する
- サービスのベネフィット(利点)を説明する
- 申し込むと自分(クライアント)にどんなメリットがあるかを説明する
- 実際に利用した人の声を載せて信憑性を上げる
といった観点で書いていきます。
商品のベネフィットを淡々と挙げるのではなく、それを利用することでお客さまがどうよくなるのか、読み手がイメージしやすいように書くのがコツです。
すでに利用した人に感想を書いてもらい、「お客様の声」として掲載すると口コミと同じような効果が得られます。これは私たちがamazonや楽天で買い物をするときに、レビューや星の数を参考にすることがあるのと同じです。
4.デザイン
デザインもランディングページの重要な要素です。サーチエンジンで検索して出てきた広告文がクリックされても、見た目がごちゃごちゃしていると直帰(ページを離れる)の原因になります。
ただし、デザインもキャッチコピーと同様に、ただキレイでオシャレなだけでは効果がありません。ファッションや化粧品のwebサイトとは異なり、税理士を探している見込み客は、おしゃれさではなく「分かりやすさと利便性」を求めています。
一番伝えたいボディコピーの邪魔にならず、訴求ポイントが伝わりやすくなるようなデザインを心がける必要があります。
5.アクション導線
ランディングページは、申し込み(CV)があって初めて存在意義を持ちます。税理士のランディングページのアクション導線は、無料相談・セミナーへの申し込みフォームやボタン、電話番号、メールフォームなどが一般的です。
ボディコピーを読んで「申し込みたい!」と思ったお客様が迷わないよう、大きめのボタンをページ内にいくつか設置し、フォームの入力項目は最低限にとどめます。すぐにアクションを起こせるよう、分かりやすい導線を設置してください。クロージングコピーとして「限定」という言葉を使うのも効果的です。
制作会社へ依頼するとき
ランディングページ(LP)を作りたいと考えたとき、まず思いつくのはデザイン会社やweb制作会社にお願いするという選択肢かもしれません。実際、デザイン会社にランディングページの作成をお願いしている税理士はたくさんいますし、プロが作るためクオリティの高いデザインに仕上がります。
料金の相場としては、企画・構成・デザインのみで20〜40万円ほど、コピーライティングを含めると60〜150万円ほどです。クラウドソーシングなどを利用して、フリーランスになりたてのデザイナーさんにお願いすると低価格で発注できますが、質に納得できず結局やり直しになるパターンもあるので注意が必要です。
また、デザインが優秀でも、セールスコピーを書ける人材がいない制作会社も多く、必ずしも成約に繋がらないのが現状です。
税理士が自分で作成するとき
なかには制作会社にお願いせず、自分でランディングページ(LP)を作りたいという税理士もいると思います。
ランディングページを作るとなると数十万円単位で費用が発生するので、予算をできるだけ抑えたい方は、ご自身で作る選択肢もありです。自分で制作する際のポイントを2点ご紹介します。
1.デザインは簡単!ランディングページ作成ツールを使う
自分でランディングページを作るときにまず気になるのがデザインかもしれません。制作会社にお願いしたいと感じる一番の理由が「自分ではデザインができないから」ではないでしょうか?
しかし実は、個人で洗練されたデザインのランディングページを作成できるツールがいくつかあり、HTMLやCSSといったweb制作の専門知識がない方でも、簡単にランディングページを作れる時代になっています。
主なツールとしては、
- ペライチ
- Jimbo
- studio
- Wix
- clickLP
などがあります。
これらはいずれも、コードが書けなくてもテンプレートを選んで文字と画像を入れるだけで、整ったランディングページを作ることができるサービスです。読み手にとって使いやすいページを作成できれば、ツールを使って作ったランディングページでもSEOに悪い影響を与えることはありません。
2.ランディングページ(LP)集客の要は「コピー」
デザインが簡単に作れるとなると、あとは文章(キャッチコピー、ボディコピー)を入れるだけです。サービスの説明文を書くだけだと感じるかもしれませんが、ランディングページから成果を上げるのにもっとも重要なのが、この「コピー」の部分です。
何度も述べているように、ページのデザインがいくら優れていても、読み手があなたのサービスや無料プレゼントにメリットを感じなければ、意味はありません。提供するサービスのどんな点が優れていて、なぜ今の自分にそれが必要なのか、ターゲットに知ってもらう必要があります。
反対に、文章さえしっかり書けていれば、デザインが多少きれいでなくてもアクションを起こしてくれます。なので、「ランディングページの集客においてはコピーが重要である」という点は、制作会社に依頼するときも変わらないともいえます。
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ランディングページ(LP)は、税理士の見込み客獲得に欠かせない手段として、いまや主流となっています。ランディングページに必要な要素は主に「デザイン」と「コピー」です。そのうち「コピー」は、読み手がアクションを起こす際の重要なきっかけとなります。
せっかくなら、自社のサービスについてよく理解しているあなた自身で、集客用のコピーを書いてみませんか?
コピーを自分で書くことのメリットは大きく、
- ツールを使って自分でLPを作れる
- コピーライターがいない制作会社に任せるより質のいいLPに仕上がる
- デザインのみを制作会社にお願いすれば、費用を抑えられる
- 自社のサービスを最も理解しているご自身が書くことで、訴求力が上がる
など、あなた自身で作るにしても制作会社にお願いするにしても、よいコピーを書ければ集客効果は格段にアップします。
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